「角打ち」についての国税庁の「珍弁」

昭和24年の読売新聞の記事の中の国税局の「珍弁」が角打ちの本質を言い得て妙である。
酒屋は酒を売るだけで、買った客が「勝手にそこで飲む」のがここで言う「コップ酒」である。
東京には「角打ち」という言葉がなかったことも窺わせる。

当時のことが書かれている『東京小売酒販組合四十年史』にもこの間の事情が書かれているが、やはり「角打ち」とは言っていない。

以下、『読売新聞』昭和24年12月18日より抜粋

コツプ酒復活九年ぶり
 居酒屋(注)の店さきでキュッと一ぱいかたむけるあの昔懐しいコップ酒が十七日から歳末の都内に復活した。去る十六年酒類統制のため姿を消して以来九年ぶりの朗報だが・・・(中略)
 ・・・方法は一合入り、一個三円の紙製コップにお望みの酒を入れて販売する仕組み。当の国税庁では「コップ酒は飲むために売るのではなくハカリ売りが目的です、売つたあと飲まれるのはご随意ですがねー」と云う珍弁である。
これに対し取締り方面では「店さきにイスを出したりおかんをつけたりすれば料飲とみなします─」ということである。懐淋しい大衆にとってこの有難いコップ酒は近く全国にもお目見えする。

(引用者注)明らかに酒屋の間違いである。居酒屋なら飲ませるのが商売であるから、紙コップで飲ませなくてもいい。酒を売る酒屋で飲ませるから有料の紙コップで量り売りしなさいと国税局は言っているのである。