辞書での角打ちの定義

日本国語大辞典」(小学館、1989年版)には、「酒を升にはいったまま飲むこと。 升飲み。酒の大飲み。」を本義として、方言として、
 ①升で酒を飲むこと。福岡
 ②酒屋の店頭で酒を飲むこと。佐賀県
 ③金銭を出し集めて宴をすること。大分県北海部郡
とある。
読み方は、カクウチである。

2018年1月に発刊された「広辞苑七版」には、「酒を枡(ます)で飲むこと。また、酒屋で買った酒をその店内で飲むこと」と記載されている。
ちなみに、広辞苑に「角打ち」が載ったのはこの版がはじめてである。

どの辞典も「升で酒を飲むこと」と「酒屋の店頭で酒を飲むこと」を併記しているが、この2つ同じことである。時代が違うだけである。
升に注いだ量り売りの酒をその場で飲むということが「酒屋の店頭」以外で行なわれたはずはない。
なぜなら、升は酒器ではなく計量器であり、酒を量り売りする酒屋以外であの飲みにくい升で酒を飲むことはまず考え難いからである。量って売るための升でそのまま飲んだのが角打ち、升酒なのである。

「升で酒を飲む」のは、現在では、結婚式などの式典だが、それを角打ちとは誰も言わないだろう。そういう意味でも、広辞苑などの「升で酒を飲むこと」という記載は正確ではない。

角打ちの定義としては、「酒屋でコップや升(過去)で量り売りした酒、または、瓶・缶で売っている酒をその場で飲むこと。本来は、九州北部の方言。」と記載した方がいい。